アンヘンクゼルというドイツ語には悪い意味?!
この記事の結論とお知らせ:
Mikoyanでは今まで吊るし飾りのことを「アンヘンクゼル」と表記していましたが、今後は「アンヘンガー」もしくは「吊るし飾り」と表記いたします。
松ぼっくりやくるみで作るオーナメント。
日本の木の実の教室では「アンヘンクゼル」と表記され、「アンヘンクゼルとは、ドイツ語で吊るし飾りという意味」と言われています。
のですが、実はこの「Anhängsel」というドイツ語には、あまり良くないニュアンスがあるのです。
そして、この可愛らしい木の実のオーナメントは実際にはドイツでは「別の呼び方」がされていました。
何事も、鵜呑みにせずきちんと情報の裏どりをするのが大事だなと思ったお話です。
こんにちは。
木の実アレンジメントとクロスターアルバイテンの教室Mikoyanです。
目次
Googleで修正される「Anhängsel」
長いリボンで吊るす飾り=アンヘンクゼル(Anhängsel)
というのは、木の実のアレンジメントの大御所の方の「とある本」の解説です。
今キノミストの新しいコース「フォルメン」を作成中で、一応個々の木の実アレンジのドイツ語の意味の裏どりをしていす。
その際、GoogleでAnhängselという単語を検索してみると、「もしかして Anhänger」という検索結果に。
そして、ドイツの現地の人々がつくったこのような松ぼっくりのクラフトの画像は全く出てきません。
アンヘンクゼルをGoogle検索
本当に、この木の実クラフトは「アンヘンクゼル(Anhängsel)」とドイツでは呼ばれているのだろうか?
心にふと疑問が湧きました。
そして見つけたのはこちらのサイト。
ドイツ語の面白い言葉。「das Anhängsel」(ペンダント)の持つ別の意味とは?
こちらのブログは、日本在住のドイツ人のドイツ語教師の方が書かれたものです。
要約すると、
・「Anhängsel」という言葉は、「ペンダント」という意味
・しかし、物に対してというよりも「人」に対してよく使う
・「連れ」「おまけ」時として「厄介者」という意味に使われる。
さらにネット上のドイツ語辞書をしらべてみました。
確かに、辞書的な意味でも、人に対して使われているようです。
そして、「蔑」の文字。。
つまりは「蔑称」ということですね。
ドイツの方々は、こんな可愛い木の実のクラフトを「蔑称」をつけて呼んでいるのだろうか?
更なる疑問が探究心を駆り立てます。
まあ、日本でもこんな可愛い花を「オオイヌノフグリ」って呼びますからね・・・。
日本のアンヘンクゼルをドイツ人はこう呼んでいた。
さてさて、ドイツ人のセンスと良識を信じて、この可愛らしい木の実クラフトの「真の名前」を探す旅が続きます。
ヒントはGoogleで出て来た「Anhänger」という単語。
Anhängerにも「ペンダント」という意味があります。
Instagramのハッシュタグにも「#Anhänger」という言葉があり、投稿数も27.4万件
こちらの「ペンダント」の方が一般的な意味の「ペンダント」と使用されていると推測できます。
※ちなみに、「#Anhängsel」というハッシュタグは500件以上1,000件未満
「ペンダント」というアクセサリーの意味を持つ言葉としてはこの数は少なすぎます。
このクラフトを日本語でいうならば「松ぼっくりのペンダント」。
それならばドイツ語の松ぼっくり類を表す言葉「Zapfen」と「Anhänger(アンヘンガー)」でGoogle検索をしてみましょう。
どん!
「Zapfen(松ぼっくり)」の「アンヘンガー」の画像検索結果だと、松ぼっくりが吊るし飾りとして出てきます。
もちろんドイツ語のWebサイトです。
中には、松ぼっくりの上部に飾りを載せたものもありますね。
一方で、「Zapfen」「Anhängsel(アンヘンクゼル)」でGoogle検索をかけてみます。
どん!
これで検索した場合、出てくる数も少ないですし、「木の実の吊るし飾り」として言葉が使われている様子は見受けられません。
試しに、この検索結果で一番最初に出てきたページのドイツ文を読んでみます。
『Lustig sind die Zapfen der Douglasie, wo zwischen den Zapfenschuppen längliche Anhängsel heraushängen, die aussehen wie Drachenzungen.』
(日本語訳:面白いのはダグラスファーの球果で、球果の鱗の間に細長い付属物がぶら下がっていて、まるでドラゴンの舌のように見えます。)
明らかに、「木の実のクラフト」のことは言ってませんね。
他のページを見ても「木の実のクラフト」ではなくて、「松ぼっくりのフックに引っ掛けたもの」を「Anhängsel」と言っていますね。
以上の考察から、
これらの木の実の吊るし飾りはドイツ語で「アンヘンガー」というのが正しい。
ドイツではこの木の実のクラフトを「アンヘンクゼル」とは言わない。
という結果になりました。
まとめ
以上の経緯で、今後Mikoyanではこの木の実の吊るし飾りは「アンヘンガー」もしくは「吊るし飾り」という表記にいたします。
やはり、「ドイツやオーストリア由来」という以上、きちんと「現地の人が使っている名称」もしくは、きちんと伝わる「日本語での表記」を使いたいと思うからです。
また、「アンヘンクゼル」という言葉が人を蔑んだりする意味を持つ言葉であるというのを「知った」以上そのまま知らんぷりして使い続けることはできないです。
日本人が
これはドイツ語でアンヘンクゼル(Anhängsel)というんですよ
と言っているのを現地のドイツの方やオーストリアの方が聞いたら、どうなるのでしょう?
やはり、違和感を感じるのかなぁと思います。
私自身もこのクラフトは「アンヘンクゼル」と教わり、そのまま鵜呑みにしてこのクラフトを「アンヘンクゼル」と生徒様や皆さんにお伝えしてしまいました。
間違った情報をお伝えした結果となってしまい生徒様や、ドイツやオーストリアの現地の方々には大変申し訳けありませんでした。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。
今回、ふとした疑問から色々調べてみて本当に良かったです。
今後も木の実のアレンジメントについてきちんと確かめた上で教室をやっていきたいと思っております。
これからもMikoyanをよろしくお願いいたします。
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