1からわかる!リースで使う木の実の処理と保存
木の実いっぱいのリースやアレンジ、クラフトを作ってみたい。
木の実を拾ってみたけれど、虫は嫌い。
拾った木の実はどうやって保存したらいいの?
どの木の実でも同じやり方でいいの?
そんなあなたに木の実のプロ「キノミスト」が解説いたします。
こんにちは。
さいたま市木の実のアレンジメントとクロスターアルバイテンの教室Mikoyanです。
目次
木の実の保存基本的な流れ
木の実を採取した後基本的な流れは、このようになります。
木の実に生息する虫の駆除作業
↓
天日干しまたは陰干し
↓
収納
となります。
採取した木の実、そのまま保存してはいけない理由
さて、秋になりましていよいよ木の実の季節となりました。
9月の後半からは、ヒノキの実やどんぐりなどの木の実を拾う機会が増えてきます。
どこで木の実を拾うか?についてはこちらの記事参照
さて、その拾った木の実、綺麗に洗ってそのままでも良いのでしょうか?
答えはNOです。
その1番の理由は「虫」です。
それを放置したまま保存してしまうと、こんなことが起こります。
木の実を食べて丸々太った虫に遭遇したり、
箱を開けたら、虫が大量発生していた。
なんてことが発生します。
木の実は動物にとって「食料」ですが、それは「虫」にとっても同じです。
美味しい食料である木の実。
虫がついているのは、標準だと考えましょう。
虫に食害されてしまった木の実は使うことができなくなります。
必ず虫対策をしましょうね。
木の実の虫対策は3通り
木の実につく虫は、基本的に2通りの状態で生息しています。
・鱗片などの隙間に隠れている。卵が存在する。
・木の実の中で育っている。卵が存在する。
つまり、外側または内側に存在するということです。
虫の駆除処理のやり方は
- 煮沸処理
- 熱湯処理
- 冷凍処理
の3通りがあります。
目的は、
虫・卵を形成する
タンパク質を熱変性させる
冷凍によって細胞を壊す
ことです。
「タンパク質の熱変性」とは?
一番わかりやすい例はゆで卵ですね。
タンパク質は熱によって変性するので、加熱された虫・卵は死滅します。
煮沸処理・熱湯処理は、この原理を使います。
「冷凍で細胞を壊す」とは?
水分は氷になると、体積が10%ほど増えます。
氷になる際、細胞の組織を物理的に壊してしまう。
細胞が物理的に壊れるので、虫も死滅します。
冷凍処理は、この水が氷になることを利用して、虫の体内の水分を凍らせる
↓
虫の細胞組織を壊して死滅させる
という原理を使います。
目的を達すればいいので、どの方法を使っても間違いではありません。
では、それぞれの方法のメリットデメリット、適した木の実をご説明しますね。
木の実の虫処理方法をくわしく解説
煮沸処理
沸騰したお湯の中に入れて一定時間煮ることで、虫・卵を死滅させる。
やり方
大きな鍋にお湯を沸騰させ、木の実を入れます。
外部の虫駆除目的であれば、短時間
内部の虫駆除目的であれば、木の実に火が通るまで(10分程度)
沸騰した状態を保ちながら煮ます。
◎メリット:
外側に存在している虫・卵は完全に死滅する。
内側に存在している虫・卵の死滅までは、中まで火が通る程度の時間が必要。
短時間で処理が完了する。(15分程度?)
×デメリット:
内側に存在している虫・卵を死滅させるまでに、木の実自体へのダメージが大きくなる。
松カサ類を煮沸する場合、松ヤニが出るため、専用の鍋が必要になる。
煮沸する際、松かさなどが持つ香り成分がかなり飛んでしまう。
鍋からザルに上げる際、火傷に注意。
キノミストオススメ度:★★
正直、私はこの方法はあまりやらないです。
面倒ですし、危ないですし、ある程度強度のある木の実じゃないとできないですので。
何より、煮沸している間に、せっかく木の実が持っている香りがかなり飛んでしまうのが辛いです。
どんぐりはあまり煮沸しすぎることで変質してしまうことも気になるので、この手法は使っていません。
この手法に適した木の実の例
熱湯処理
熱湯を対象にかけて虫・卵を死滅させる。
やり方
ザル・ステンレスたらいに木の実を並べ、熱湯をかける
ステンレスたらいを使う場合は、溜まったお湯が冷めるまで放置でも可
◎メリット:
外側に存在している虫・卵は死滅する。
短時間で処理が完了する。(5分程度?)
ザルをそのまま天日干しに移動できて楽
×デメリット:
内側に生息している虫・卵には対処できない。
一度に処理できる量が限られる。大量に処理する場合は、何度も行わねばならない。
お湯が当たらない部分が出る可能性がある。
→ざる+たらい推奨。お湯をかけた後たらいに溜まったお湯でも虫・卵は撃退できる。
キノミストオススメ度:★★★★
松かさ類や殻類の木の実は、ほぼこの手法でやっています。
短時間で処理できますし、外側にいる虫・卵の撃退はこの手法で十分です。
この手法に適した木の実の例
冷凍処理
一定時間冷凍することで、虫・卵のタンパク質を破壊する。
やり方
・木の実をジップロックなどの袋に入れ、冷凍庫で1週間以上冷凍させる。
◎メリット:
作業自体は簡単
加熱しないため、木の実の劣化が少なくて済む
内側に生息する虫・卵に有効
ムクロジはこの方法しかない。
×デメリット:
時間がかかる。
木の実で冷凍庫が占有される時期がある。
キノミストオススメ度:★★★★
どんぐり、トチノミ、種子部分を使用する木の実はほぼこのやり方を使っています。
外側の皮が美しく、中の実に卵が生み付けられている確率が高いムクロジに関しては、この方法以外ない気がします。
特に処理をしないもの
枝ものなどは上記処理はしていません。
乾燥するまで、平干しします。
虫処理をした後は天日干し・陰干し
虫処理をした場合、木の実は煮沸処理・熱湯処理・冷凍処理のどの場合でも、湿った状態になっています。
天日干しでしっかりと乾燥させましょう。
どんぐりの中でも皮の薄い(クヌギ・コナラ)は、天日干しで急激に乾燥させると皮が裂けます。
天日干しよりも日陰でゆっくり乾燥させるのがオススメです。
木の実の乾燥に便利なオススメグッズ
木の実の乾燥時、一番問題なのが「場所をとる」ことですね。
この3段式の万能干しネットがあれば、大量の木の実を場所を取らずに乾燥作業ができます。
3段に分かれているので、複数の木の実を段ごとに分けて乾燥できるのもいいですね。
木の実を熱湯処理をする場合、木の実を平に広げることができる「梅干しざる」は重宝します。
プラスチック製のざるでは熱湯をかけることはできませんし、
金属製のざるは高価で、大きいものはあまりありません。
竹ザル、いいですよ♪
梅干しを作る時期には、ホームセンターにもたくさん売っています。
木の実の保存方法
虫処理・乾燥が終わった後は、収納しましょう。
松かさ・から類の木の実
しっかりと虫処理をしてあれば、収納方法はどんな方法でも構いません。
袋に入れたり、箱に入れたり
瓶に詰めたり、並べたり、見せる収納もいいですね。
豆・種子部分の木の実(どんぐり以外)
種子部分は栄養があります。
乾燥した後でも、「メイガ」に狙われます。
よく乾燥し、密閉できる缶などに入れてしまいましょう。
乾燥剤や、防虫剤も一緒に入れておくと安心ですね。
どんぐり類
どんぐり類は、乾燥するまでにかなり時間がかかります。
1週間程度の乾燥で缶などの密閉容器にしまうと、「カビ」が発生することがあります。
通気性の良いカゴなどに入れて、気長に乾燥させましょう。
どんぐりにつく「ゾウムシ」類は若い実に卵を産むので、収穫して乾燥した実につくことはありません。
まとめ
木の実を採取したら
・虫対策をする
・よく乾かす
・木の実に合わせた保存方法をとる。
これらをぜひやってみてくださいね。
きちんと処理をすることで長期保存をすることが可能です。
たくさんの木の実を使って、木の実のクラフトやアレンジメントをぜひ楽しんでみてくださいね。
それでは、良い木の実ライフを!
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